0 現代文·小説(20点)
解答·配点
ウ
4点 (各2)
問ニ速雄が典子の蜜柑を食べていたことで、他人には一
分からない心の交流が速雄との間にあることを、典
子が実感したということ。(切字)
伊藤整「典子の生きかた」(新潮文庫)
伊藤整は、
6点
九〇五(明治三十八)年、
北海道生まれ、東京商科大学(現在の一
橋大学の前身)中退。詩人·評論家とし
ても活動。一九六九(昭和四十四)年没。
問三 工
3点
問四 かたくなに心を閉ざす速雄にこれまで遠慮してい
4点
た典子が、自分の気持ちをはっきりと言うように
なったこと。(的字)
典子の生きかた』では、自分ひとり
の力で生きていこうとする自立心旺盛な一
主人公典子の姿を通して、作者は当時の
社会の窮屈な家族制度から解放された自一
由な女性の生きかたを追求している
問五 イ
3点
本文解説
そして、その蜜柑の皮が速雄に対する自分の好意を彼が受
け入れてくれた証としてこの日の典子には理解されたこと
を傍線部0は表しているのである。また、「ひそかな感情
心を閉ぎしがちな病気の速雄には自分こそ必要な人間だ
と考える典子は、叔母と従姉妹の清子とともに速雄を見舞
いに訪れた際にも、自分と速雄との間だけに流れる心の交」
流があることを強く感じる。そして、叔母たちと見舞った」
後の四日目にひとりで速雄を訪れたとき、こちらに寄り添
おうとする思いと遠ざけようとする思いとの狭間で揺れ動一
く速雄の心情に典子は気づくのであった。やがて、冷淡な一
態度に潜む速雄の孤独な内面を前にし、そんな彼が遠く
いとこ
のつながり」という表現からは、速雄との間にあると典子
が信じる温かな心の交流が、叔母や清子といった他者には一
見えない秘密めいたものとして、典子には捉えられている
ことが読み取れる。したがって、速雄が典子の持ってきた
蜜柑を食べていたこと、その蜜柑によって典子が速雄との