① ゆく秋の大和の国の薬師寺の
どう
ひと
塔の上なる一ひらの雲
さきのぶつな
佐佐木信綱
晩秋、奈良の薬師寺の塔の上に雲が一つ浮かんでいる。「の」のくり
返しによってリズム感が生まれている。
いそなみ
ガレージヘトラックひとつからむとす
少しためらひ入りて行きたり
一台のトラックが、ためらうようにしてガレージに入っていった。
ひとしきり耳にまぢかしとどとどと
磯波よする音なだれたり
● いっとき、「とどとど」という波の寄せる音が耳元に迫ってきた。
さいとうもきち
斎藤茂吉
つちだ こうへい
土田耕平