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とかはらなる人して言はすれば、たびたびかたぶきて、
作者ガソバニイル人ヮ介シテ言ワセルト
みす
「返しは、つかうまつりけがさじ。あざれたり。御簾の前
返歌ヲシテ和歌ヲスツモリハナイ 風流ナ和歌デアル
つかひ しきぶのじょうただたか
さてその作りたる日、御使に式部丞忠隆まりた
れば、さし出だして物など言ふに、「今日雪の山作らせ
飲物ヲ
おまへ
つば
たまはぬ所なむなき。 御前の壺にも作らせたまへり。春宮
とうぐう
にて人に語りはべらむ」とて立ちにき。歌いみじうこのむ
人々二和歌紹介シマショウ 立チ去ッタ
タイソウ
と聞くものを、あやし。御前に聞しめして、
不思議デアル 中宮定子ノ オ耳ニスルト
いみじうよくとぞ思ひつらむ」とぞのたまはする。
スバラシクモウト キット思ッタノデショウ
当寺、
宮中 中
さかうごくどの
にも、弘徽殿にも作られたり。京極殿にも作らせたまへ
りけり」など言へば
池隆がウノデ
〈1〉ここにのみめづらしと見る雪の山
ところどころにふりにけるかな