のち
かやうに思しのたまはせても、いや、もののおぼゆるにこそあれ、まして月ごろ、年ごろにもならば、思ひ忘るるやうも
やあらんと、われながら心憂く思さる。何ごとにもいかでかくとめやすくおはせんものを、顔かたちよりはじめ、心ざま、
手うち書き絵などの心に入り、さいころまで御心に入りて、うつ伏しうつ伏して描きたまひしものをこの夏の絵を枇杷
20殿にもてまりたりしかば、いみじう興じめでさせたまひて納めたまひし
こぞ
、よくぞも
て
ま
ゐ
り
にける
な
ど、思し残
すこと
(注7)
きままに、よろづにつけて恋しくのみ思ひ出できこえさせたまふ。 年ごろ書き集めさせたまひける絵物語など、みな焼けにし
去年、今年のほどにし集めさせたまへるもいみじう多かりし、里に出でなば、とり出でつつ見て慰めむと思されけり。
びは