ひどの
つとめて、おとど、注樋殿におはしけるままに、落窪をさしのぞいて見たまへぼなりのいとあしくて、さ
すがに髪のいとうつくしげにてかかりてゐたるを、あはれとや見たまひけむ、「身なりいとあし。あはれとは
見たてまつれど、まづやんごとなき子どものことをするほどに、え心知らぬなり。よかるべきことあらば、
心ともしたまへ。かくてのみいまするが、いとほしや」とのたまへ、恥かしくて、物も申されず。帰りたま
ひて、注北の方に、「落窪をさしのぞきたりつれば、いと頼み少なげなる。白き拾一つをこそ着てゐたり
ふるき
あはせ
一。子どもの古着やある。着せたまへ。夜いかに寒からむ」とのたまへば、北の方、「常に着せたてまつ
つぎにまはね」と申したまへば、「あなうたてのことや。