64 原子核
静止している原子核Xに粒子 a が衝突して原子核Yと粒子bがで
きる核反応をX+a → Y+b+Q と表す。ここでQは反応のQ
値と呼ばれ,反応の前後の質量変化に相当するエネルギーである。す
なわち, 粒子 a および b の質量をma, mb, 原子核XおよびYの質量
Q= (mx+ma)c-(my+mb) である。
を mx, my とすれば,
Q >0の場合は発熱反応であって, Xにa がゆっくり衝突しても核
反応が起こる。一方, Q < 0 の場合は吸熱反応であって, a の運動エ
ネルギーによってエネルギーを補給しなければ核反応は起こらない。
このために必要なa の運動エネルギーの最小値をこの反応の(エネル
ギー) しきい値という。
I 次の発熱反応について考えよう。
‘Li+n→ α+[ア+Q
ここでLi, 中性子n,α粒子およびアの質量はそれぞれ
6.0135u, 1.0087u, 4.0015u, 3.0155u である。ただし, luは
3 × 102 MeV のエネルギーに相当する。
ア | の原子核は何か。 また、この反応のQ値は何 MeV か。
(2)十分遅い n が静止している Li に衝突して核反応が起こるとき,
α 粒子の運動エネルギーを求めよ。
Ⅱ 核反応が吸熱反応である場合のしきい値を求めてみよう。 そこで,
粒子 a がちょうどしきい値に等しい運動エネルギーをもって静止
している原子核 X に衝突するとしよう。 このときのaの速さをU
する。
(3)衝突直後, a は Xと一体となり, (ma+mx) の質量をもつ複合核
を作る。a の運動エネルギーから, 複合核の運動エネルギーを差
し引いたものを4Kとする。 AKをma, mxおよびva で表せ。
(4)この4Kが複合核に余分に蓄えられたエネルギーであり,複合
核が短時間後に原子核 Yと粒子bになるとき,質量の不足分は
⊿Kでちょうど補うことができる。 この反応のしきい値をQ, ma
およびmxで表せ。
(広島大)