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新傾向問題1
(注)
3
5 『玉勝間』
よしつね
しずか ごぜん
よりとも
次の文章は、源義経の恋人、静御前に関する記述である。 兄頼朝
と対立し、追われる身となった義経は、雪山で静と別れる。その後、
静は捕らえられ、鎌倉へと移送される。
にほん
みだいどころ
ま
しづかちょ くわらう
二品ならびに御台所、鶴岡の宮に参り給ふついでに、静女を廻廊にめ
「おほ
出でて、舞曲を施さしめ給ふ。去ぬるころより度々せらるといへど
も、かたくいなみ申せり。今日座に臨みても、なほいなみ申しけるを、
貴命再三に及びければ、仰せにしたがひて、舞曲せり。左衛門の尉祐経
はたけやまじろうしげただどびゅうし
ぎんしゅつ
さゑもん
つづみを打ち、畠山次郎重忠銅拍子たり。静まづ歌を出していはく、
吉野山峰の白雪ふみ分けて入りにし人の跡ぞ恋しき
次に別物の曲をうたひて後、また和歌を吟じていはく、
(注1)
(注2)
1
しづやしづしづのをだまきくりかへし昔を今になすよしもがな
はばか
ばんぜい
二品仰せにいはく、「もつとも関東の万歳を祝すべきところに、聞こ
しめすところを憚らず、 反逆の義経をしたひ、別れの曲をうたふ事奇怪
なり。」と、御けしきあしかりしに、御台所は、貞烈の心ばせを感じ給
れんちゅう
ふによりて、二品も御けしき直りにけり。しばしありて、簾中より卯花
(注3) てんとう
おんぞ
重ねの御衣をおし出だして、纏頭せられけり。
しづやしづしづのをだまき 「しづ」は古代の織物の名。 「だまき」は
紡いだ糸を丸く巻いたもの。「しづやしづ」は、自分の名の「静」を「静よ静
よ・・・」と詠み込んでいる。
2 よしもがな
方法があればなあ。
頭せー 歌舞の褒美を与えること。
うのはな
1
(2)
5番 9番
新傾向
/50
〈P.12~13)
次は、上の歌(1) とその本歌(Ⅱ)である。これを読んで、後の問いに答えよ。
H
しづやしづしづのをだまきりかへし昔を今になよしもがな
むかし物言ひける女に、年ごろありて、
=
いにしへのしづのをだまきくりかへし昔を今になすよしもがな
と言へりけれど、何とも思はずやありけむ。 (伊勢物語・三十二段)
1 次の文章は、ⅠとⅡの歌の共通点や相違点をまとめたものである。その文
章の空欄を補うのに適切な語句を、iは簡潔に書き、 iiは後の選択肢か
ら選んで書け。
【i-7点 各5点】
○どちらの歌も「
であるのに対し、Ⅱの歌は、
」と詠んだものである。しかし、Iの歌が、
であり、同じ
ように詠んでいても、その意味合いが異なっている。
⑦ 昔から好きだった相手に思いを伝える歌
M疎遠にしていた相手に復縁を望む歌
亡くなった恋人をなつかしむ歌
自分を置き去りにした恋人を恨む歌
いちず
生き別れた恋人を一途に恋い慕う歌
1
1
傍線部から、女はどのような対応をとったと推測できるか。簡潔に書け。
【8点】
iii