そうあん
とん あ
げんかい
三 次の文は、『草庵集』(中世の歌人、頓阿の歌集)について、本居宣長が著した注釈書の一節である。「諺解」という注釈書の解
あん
釈を引用した後に、 「今按ずるに」以下で筆者自身の考えを述べている。これを読んで、後の問に答えよ。(三〇点)
山深く分くればいとど風さえていづくも花の遅き春かな
はやま
(1)
諺解云はく、端山さへ寒きに、山深く入りてはいよいよ寒きゆゑ、端山の花の遅きのみか、奥山も遅きなり。いづくもとい
ふに里の遅きもこもるべし。
(2)
(3)
今按ずるに、この歌も実の理と作者の見る心とを分けて説くべし。諺解のごとくいひては、混雑して、ことわりたしかなら
ず。山深く分け入る事もよしなくなるなり。 歌の意は、まづ奥山ほど寒さのつよきゆゑに、花の咲く事いよいよ遅きが実の
理なり。しかるを作者の心は、その道理をしらぬものになりて、里にこそまだ咲かずとも、山の奥には早く咲きそめたる花
もあらんかと思ひて、山深く尋ねつつ、分け入れば入るほど余寒つよく、いよいよ風さえて、まだ花の咲くべき気色も見え
ぬゆゑに、さては里のみならず、山の奥までいづくもいづくも花の遅き春かなと思へる意なり。春かなと留りたるところ、
花を待ちかねたる心深し。
問一傍線部(1)はどういうことか、説明せよ。
とま
たまばはき
(本居宣長『草庵集玉箒』より)
(編集注 解答枠=ヨコ10ミリ×タテ40ミリ×2行)
(編集注解答枠=ヨコ100ミリ×タテ40ミリ×5行)
問二傍線部(2)はどういうことか、「実の理」と「作者の見る心」の具体的な内容を明らかにしつつ説明せよ。
けしき
問三 傍線部(3)を現代語訳せよ。
Om
(編集注解答枠=ヨコ10ミリ×タテ40ミリ×2行)