第4
例題 次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
私たちは、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚といった様々な感覚のモダリティを通して、
外界の様子や自らの身体の様子をつかみ取っている。それぞれの感覚のモダリティの中
では、モダリティ固有のクオリアが感じられている。
たとえば、赤のクオリアと緑のクオリア、金属光沢のクオリアはそれぞれユニークな
質感として意識の中で感じられるが、これらはまた全て「視覚」のモダリティに属する
クオリアとして、明らかに共通の何かを持っているように感じられる。一方で、チョコ
レートの甘さ、リンゴの甘酸っぱさ、唐辛子の辛さといったクオリアも、それぞれユニー
クな質感として感じられるが、全ては「味覚」のクオリアとして何かしら共通の性質を
持っているように感じられる。
そして、「視覚」のクオリアと「味覚」のクオリアの間には双方を混同すべくもない
明らかな差があるように思われる。視覚でも、味覚でも、それぞれの感覚をつかさどる
脳の領域の神経細胞の一個一個には、基本的に差があるわけではない。それにもかかわ
らず、神経細胞の間に結ばれる関係性を通して、まったく異なるクオリアが意識の中に
生み出される。この明白な事実は、脳と心の関係を考える上ではもっとも重要であると
ともに、その背後にある原理を明らかにすることが難しい問題の一つとなっている。同
[標準解答時間25分]