対象
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西洋の近代思想は、「認識する「我」を中心におき(主観)、この我が”対象
(客観)を捉える、という主観客観の軸に添って構成された。この基軸の
意味は、主観が対象を支配することであって、その逆ではない。「我」が対象
を受容するのではない。「我」がその対象を対象として成り立たせている、と
いう考えである。主観が対象を構成するとともに、「対象」というあり方が、
主観の存在を聖化する。そこで、主観=人間は、対象=世界の支配者となる。
しかし、近年、この人間中心主義に対する批判と反省の意識はいよいよ強くな
ってきている。例えば、ドイツの哲学者ゲルノート・ベーメは、雰囲気という
あり方に注目している。より正確に言うならば、もののあり方のなかの、対象
的な側面よりも雰囲気的な側面に注目している。意識は対象を支配するが、雰
囲気にはわれわれの方が包まれる。
きけんいち
出典 佐々木健一「日本的感性』
出題 中央大学・文学部
要約
読解のポイント
西洋の近代思想=人間中心主義
認識する「我」を中心におき(主観)
「我」が対象(客観)を捉える
主観=人間は、対象=世界の支配者
人間中心主義に対する批判と反省
対象的な側面よりも雰囲気的な側
面に注目
西洋の近代思想では、人間は対象(=
世界)の支配者となった。だが、人間中
心主義への批判と反省から、もののあり
方の対象的な側面よりも、弊気的な
面が注目されている。