叫S N
しん
じよくん
呉の国の季札は、晋の国への使いに行く途中で、徐君(徐の
国の君主)に会った。
徐君、季札の剣を好めども、口あへて言はず。季札心に之を知る
(口には決して出さなかった)
さ
も、上国に使ひするが為にいまだ献ぜず、
(まだ差し上げなかった)
O
還りて徐に至れば、徐君すでに死す。すなはち其の宝剣を解き、
(戻ってきて)
(そこで)
(はずし)
ちょうじゅ
徐君の家樹に懸けて去る。従者いはく、「徐君すでに死す。なほ誰
(嘉の木に掛けて)
りしか
に予ふるや。」と。季子いはく、「然らず。始め吾心にすでに之を許
ささ
(どうして)
よみ
徐人嘉して之を歌ひていはく、「延陵の季子故を忘れず、千金の
(徐の国の人々がほめて)
(心に決めたこと)
剣を脱きて丘墓に帯ばしむ。」と。
(海けた)
ブ (「蒙求」より) e
*上国=ここでは、晋の国のこと。
*季子=季札のこと。後に、延陵の季子と呼ばれた。
(そのうえ)
す。あに死をもつて吾が心に倍かんや。」と。
(そむくことができようか)
(与えようとなさるのか)