✨ ベストアンサー ✨
運動量は「ぶつかった時の止めにくさ」や「勢い」を表す量だと理解しておくと良いと思います。
ピンポン玉が時速100kmで飛んでくる。
大型トラックが時速100kmで走ってくる。
同じ速度でもトラックを止めるのは絶望的で、これは質量が大きいためです。同じトラックでも「時速0.1km(超低速)」なら手で押して止められるかもしれません。これは速度が小さいためです。つまり、物体の「勢い」を評価するには、質量と速さの両方を掛け合わせる必要があるのです。
力学的エネルギーだけでは説明できない現象があるため、運動量という道具が使われます。
まず、運動量は「向き」を扱えます。エネルギーは「大きさ」だけの量(スカラー)ですが、運動量は「向き」を持つ量(ベクトル)です。また、エネルギー保存則は、摩擦や空気抵抗、衝突時の音や熱が発生すると、計算が非常に複雑になります。一方で運動量は、外から力が加わらない限りは必ず保存されます。 内部でエネルギーがどれだけ熱に逃げようと、運動量の合計は変わらないということです。
非弾性衝突では、エネルギーの一部が熱や音に変わってしまいます。そのため、力学的エネルギー保存則は使えません。
一方熱や音にどれだけ逃げようが、物体同士が押し合う力(内力)だけで動いているなら、合計の運動量は変わりません。また、ベクトルであることは成分に分けられることを意味します。斜面との衝突は、運動量をベクトルとして分解して考えるメリットが最も分かりやすく現れる例です。斜面との衝突では斜面に沿った方向だけ運動量が保存されるという性質を利用して、問題を解けます。斜面にボールがぶつかる時、斜面からは抗力を受けます。この力のせいで、ボール全体の運動量は変わってしまいます。
しかし、ベクトルを斜面に平行な方向と垂直な方向の2つに分解して見ると、斜面に平行な方向には、摩擦がないなめらかな斜面であれば、この方向に力は働きません。つまり、この成分の運動量だけは、衝突の前後で全く変わらずに保存されるのです。