とを、行動生態学者のシーリーらは、一連のコウミョウな実験によって明らかにしています。
ミッバチの巣探し行動には、集合知(collective intelligence)が見られるのです。集合知
x_」のように、個体のレベルでは見られない優れた知性が、群れや集団のレ
とは「
ベルで新たに生まれる集合現象を意味します。
しかし、多数での意思決定が、必ずしも集合知を生むとは限りません。たとえば、現代社
会の人間集団でよく見られる一時的な流行現象のことを考えてみましょう
優れているとか美味しいという評判につられて、本当はあまり優れていない商品が雪だる
ま式に売れてしまい、しばらく経って冷静になって振り返ると「あの流行はいったい何だっ
たのか」と不思議に思う、などという例は、決して稀なものではないでしょう。人気が人気
を呼ぶ(不人気が不人気を呼ぶ)という仕組みだけでは、集合知は生まれないのです。ミツ
バチのコロニーでも同様の雪だるま現象が発生し、質の悪い巣が選ばれる可能性がありそう
まれ
です。
株式市場ではしばしば、自分のもっている情報よりも、ほかの人の行動を情報源として優
先して、それがつぎつぎと全体に広がっていく連鎖現象が見られます。このような現象は、
経済学で情報カスケードと呼ばれ (カスケードとは階段状に連なった滝のことです)、現在い
ろいろな分野で関心が寄せられています。情報カスケードが生み出す可能性のあるエラーの
連鎖を、ミッバチの集団意思決定はどのように防いでいるのでしょうか。
政治学者のリストらによる最近の理論研究から、ミツバチがエラーの連鎖を防ぐメカニズ
ムについて、鋭いドウサツが得られています。リストらの研究は、エージェント·シミュレー
ションと呼ばれる技法を用いています。これは、さまざまな行動の仕組み(アルゴリズム)
をもつ行為者(エージェント)をコンピュータの中に作り出し相互作用させることで、どの
ようなパターンが集団レベルで生まれるかを調べる、コンピュータ·シミュレーションの技」
法です。
さて、このシミュレーションから、次のような行動の仕組みが、集合知を生み出すことが
理論的に明らかになりました。
まず、行為者であるミツバチは、ほか
動
リま