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解説動画
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発展例題4 植物のCO2 固定
発展問題
トウモロコシなどの C, 植物は、乾燥による CO. 固定効率の低下を防ぐしくみをも
カルボキシラーゼの働きによってC 化合物として固定され, 維管束鞘細胞に送り込
まれる。そこでC,化合物からCO2が取り出され, CO2濃度が高く保たれることで、
カルビン回路での CO2固定が効率よく行われる。 PEP カルボキシラーゼは、低い
CO2濃度でも極めて高い活性を示すことから,C,植物では葉肉細胞内のCO2濃度が
っている。 Ca植物では, 葉肉細胞において CO2がホスホエノールピルビン酸(PEP」
低下しても, CO2 固定効率が低下しにくい。
問1.C植物についての記述として適切なものを, (a)~(d)のなかからすべて選べ。
(a)蒸散速度に対する光合成速度の比 (光合成速度/蒸散速度) を, C3 植物よりも高
くできる。
(b)乾燥状態で気孔を閉じないため, C3 植物よりも光合成速度を高く維持できる。
(c) PEP カルボキシラーゼが,カルビン回路において CO2 の取り込みをルビスコ
よりも高効率で行う。
(d) 「CO2のC化合物への固定」 と 「CO2 の C3 化合物への固定」 が異なる細胞で行
われる。
2. 光合成に関する(1)~(3)の各問いに答えよ。
(1) チラコイドについての記述として適切なものを, (a) ~
(d) のなかからすべて選べ。
(a) ルビスコを含んでいる。
(C) ATP 合成酵素を含んでいる。
(b) 光合成色素を含んでいる。
(d) 光エネルギーを受け取ると内腔の H+ 濃度が上昇する。
(2) ストロマでの反応の記述として適切なものを, (a)~(d)のなかからすべて選べ。
(a)反応速度は温度の影響を受ける。
(c) クエン酸が生成される。
(b) ホスホグリセリン酸が還元される。
(d)光リン酸化と呼ばれる反応が起こる。
((3) ある植物の環境条件を, 「① 光も CO2 もない条件」, 「② 光はないが CO2は十分
にある条件」, 「③光は十分にあるが CO2 はない条件」 「④光はないが CO2は十分
にある条件」の順に十分に時間をかけながら変化させたところ,下図のように
CO2の吸収がみられ, やがて CO2 吸収速度は減少してゼロになった。 この実
験において,「④で光がないにもかかわらず CO2 吸収がみられた理由」 と 「やがて
CO2吸収速度が減少してゼロになった理由」をそれぞれ40字以内で述べよ。
CO2 吸収速度 (注)
① 光なし・CO2 なし ② 光なし・CO2 あり ③ 光あり・CO 2 なし ④光なし・CO2 あり
時間
注) 呼吸によるCO
放出分は, CO
吸収速度に含め
ない。
(21. 大阪府立大改題)
解答
問1 (a), (d)
2. (1) (b), (c), (d)
(2) (a), (b)
(3) 「④で光がないにもかかわらずCO 吸収がみられた理由」
解説
③の条件下で生成された NADPHとATPを利用して, CO2が固定されたから。
(36字)
「やがてCO2吸収速度が減少してゼロになった理由」
③で生じたNADPH と ATP がカルピン回路ですべて消費されたから。 (33字)
1. (a),(b),植物であっても、乾燥状態では気孔を閉じて過度の蒸散を防ぐ。 また,
気孔が閉じるとCO2の取り込みが起こらなくなるが, C植物では, C回路によって取
り出されたCO2が維管束鞘細胞に蓄積する。 その結果, ルビスコ周辺でCO2濃度の高
い状態が維持され,カルビン回路が効率よく進む。 したがって, 気孔が閉じて蒸散速度
が小さくなっても,C,植物は植物に比べて光合成速度は低下しにくい。
(c) PEP カルボキシラーゼは,C回路で CO2 を C.化合物に固定する反応で働く。
(d) C, 回路は葉肉細胞で, カルビン回路は維管束鞘細胞でそれぞれ起こる。
2.(3)光合成は, 光エネルギーを化学エネルギーに変えるチラコイドで起こる反応と,
CO2の固定を行うストロマで起こる反応に分かれることに着目する。
チラコイドで起こる反応
24H+
12NADP+
24e
A
光 光化学系 I
*の濃度勾配
電子伝達系
酵素
光 光化学系 Ⅱ
ATP 合成
12H2O 602 + 24H +
12NADPH+12H+
ストロマで起こる反応
6H2O 12GAP
有機物
→6ADP
第
カルビン回路 -6ATP -
→18ATP
12ADP
-18ADP
-12ATP
6RuBP
12PGA
6CO2
4
※回路全体でRuBP6分子につき H2O が 6分子生じる。
条件 ①・・・光がなく NADPH と ATP は生成されない。 また, CO2 もないのでCO2は固
定されない。
条件②・・・光がなく NADPH と ATP は生成されない。 したがって, CO2があってもカ
ルビン回路に NADPH と ATP が供給されないため, CO2は固定されない。
れない。
条件③…光により NADPH と ATP が生成されるが,CO2がないため、CO2は固定さ
条件 ④・・・ 光がなく NADPH と ATP は新たに生成されないが, ③で生成したNADPF
と ATP が蓄積している。 これを用いてカルピン回路でCO2が固定されるが,
NADPH と ATP が枯渇すると CO2 固定は止まる。
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4. 代謝
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