(b) 二酸化窒素を生成する反応の一つに, 式(2)に記す一酸化窒素の酸化反応がある。
2 NO + O2 → 2NO2
(2)
化学反応の速度は温度上昇とともに増大するのが通常である。 しかし, それとは
逆に、気相における式(2)の反応では、ある温度範囲においては温度上昇とともに反
応速度が低下する。この反応速度』はNO2の生成速度であり,反応物の濃度を用
v=k[NO][02]
(3)
のように表されることが実験的にわかっている。 ここで,kは反応速度定数であ
る。
以下では,上記の”の一見異常な温度依存性を説明する機構の一つについて考察
する。それは,式 (2) の反応が次の式 (4) と式 (5) に記した二段階の素反応によって進む
機構である。
NO + NO N2O2
N2O2 +02
←
k
2 NO 2
45
(5)
式(4)の正・逆反応におけるN2O2の生成速度と分解速度 12,および式(5)にお
NO2の生成速度 v3 は, それぞれ
V
01=k1 [NO]2,02=k2[N202],v3=k3 [N2O2] [02]
(6)
We U2
と表され, v2 は0よりも充分に大きいものとする。 すなわち, 式 (5) の反応に
よってN2O2が消費されても, 式 (4) の平衡が速やかに達成されるものとする。 この
とき式(4) の反応の平衡定数 Kおよび式 (2) の反応の速度定数kを,k, k2, ks を