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ヨーロッパと日本では心(精神)と体(身体)の関係に違いがあるとはよく
言われることだ。ヨーロッパではデカルトの心身二元論に端的に示されて
いるように心と体のあいだにはある種の断絶がある。
いまし
けいばく
古くはプラトンがソクラテスの口を借りて『パイドン』のなかで魂は不滅で
あり、生前は「肉体という縛め」に繋縛されている魂が死後その縛めから解き
放たれて真実に達することができると揚言した。 プラトンのイデアの哲学は
魂の不滅を求めるものであったが、それと同時に肉体は魂にとっての繋縛
かせ
えんげん
(枷) と見なす考え方の淵源でもあった。精神と身体、あるいは思考と身体と
いう二元論は魂と肉体という二元論をその原型にもっている。そして魂と肉体
というこの二元論は超越への憧憬によって支えられていたのだ。
しょうけい
精神と身体は相容れない実体である。 身体とは邪魔者である。 身体とは欲望
情念)の「場」である。大まかに言えばこれがヨーロッパの哲学を支配し
てきた通念であった。精神は身体という「牢獄」に閉じこめられているのだ。
ろうごく
出典 野内良三『レトリックと認識』
神田外語大学・外国語学部
出題