1.3 分子とイオンの Lewis 構造式
ニトロメタン (CH3NO2):ニトロ (NO2) 基の原子の配列はわかりにくいかもし
0は二つとも7電子ということになり, 不対電子が生じてしまう。二つの0の
れないが, O-NOと並んでメチル基がNに結合している. 単結合でつなぐと
不対電子を対にして 0-0 結合をつくると三員環ができるが、このように小さい
環構造は4章で述べるように不安定である.また,Nの非共有電子2個と0の
不対電子を使ってN=0二重結合を二つつくると, Nは10電子を受けもつこと
になり、 オクテットを超えてしまう。これは不可能な構造である。一方のN-O
だけを二重結合にしてもう一つの0に3組の非共有電子対をもたせると,H以
外の原子がすべて8電子になり, オクテット則からみると合理的な構造である。
ここで形式電荷を計算する必要がある.Nは4本の結合をもつので、形式電荷
は5-4+1である. 単結合でつながった0は, 非共有電子6個と結合一つを
もつので6-(6+1)=-1である. もう一つの二重結合酸素は, 非共有電子4個
と結合二つをもつので 6-(4+2)=0 となる. したがって, ニトロメタンは電荷
をもたないにもかかわらず,分子内で電荷がNとOに分離した構造になってい
ると考えられる.
H
0:
H :0
H-C-N
電子数
不安定な三員環
H:O⚫
0:
H
C
HC
NO:H-C-N-O:
N
20
6×2
H
X
不可能な構造
H:O
H
(N に 10 電子)
3 H
1×3
H-C-N=0:
24
H
H:O
H:O
H-C-N-O: H-C-N-O:
H
br
H
形式電荷
5-4=+1
形式電荷
6-6-1=-1